土曜日の午後。

 キッチンにて。

「オムライスとサラダ! ということになりますが」

「はい」

「で、雪って料理出来るの?」

「特によく作ったりはしないけど・・・全く出来ないってわけでもないよ」

「まぁ、よく分かんないから。はい、タマネギみじん切りからいこー」


 といって、タマネギを手に握らされる。

 タマネギは苦手・・・。

 単純に・・・涙が出るから。

 
 だけど、拒否る権利もないわけで・・・私はしぶしぶと包丁とまな板を取り出す。


「ていうか、雪の家のキッチンキレイだねー。何か汚したらどーしよって感じ」

「私もそう思った」

「お兄さんがよっぽどキレイに使うんだねー」

 そんなこと言われると、汚すのが怖い。

 タマネギのみじん切りを、まな板から零すのすら恐ろしく感じる。

 私はおそるおそるみじん切り開始。


 開始数秒後、さっそく涙。

 そのせいで視界がぼやけてくる。


「優香ぁ・・・」

「頑張りなさいっ」

「それだけぇ?」

 まぁ、とにかくガマンをして。

 必死にタマネギのみじん切りをする。


 苦戦したが、なんとかみじん切り終わり。

 あとは、コーンとかもいれたりして・・・。

 チキンライスにして・・・。