「お前・・・履き替えるよな。スウェット濡れたから」

「え・・・あ、うん」

「・・・・・・履くモノある?」

「・・・・・・ジャージなら、あったかも」

「・・・じゃ、オレ。自分の部屋戻るから、履き替えたら来い」

「え・・・うん」

 恭ちゃんは怒った顔で出て行った。

 そりゃ・・・私、自分のことに無頓着だけどさ。

 あそこまで・・・怒んなくてもいいじゃんか。


 私は、自分の部屋に言ってジャージを取ってくると、濡れたスウェットを脱いだ。


 ひざを見てみると、少し赤いものの痛みはない。

 恭ちゃんが急いで冷やしてくれたからだろう。


 恭ちゃんが大事とか・・・言ってるけど、少しでも処置が遅れたら大変なことになってたかな。


 自分の部屋を出ると、丁度翔ちゃんが帰ってきたところだった。


「あ、おかえり」

「ただいま。とりあえず、雪の好きなオレンジジュースとか、クッキーとか買って来たけど」

「翔ちゃんありがと」

「・・・これで、あのことがチャラなら安いもんだよ」


 私は、コンビニの袋に手をつっこんで、オレンジジュースと自分の好きなお菓子を取ってかかえると、階段に足をかけた。

「? 悠斗とか巧とかに用事?」

「恭ちゃんに用事」

「・・・・・・」

 私の言葉にヒドく驚いたような翔ちゃん。

 まぁ・・・あの無愛想で、トンガリボーイのとこに好んでいく奴いねぇだろ。

 とか思ってそうだけど・・・。


 恭ちゃんに呼ばれたしね。


 私は、恭ちゃんの部屋に行ってノックをして中に入る。

 そして、床にさっき翔ちゃんからもらったお菓子類を並べた。