「・・・次、メイクするから」
「え? 髪、どうなったの?」
「メイク終わってからのお楽しみ」
「う・・・」
「こっち向いて」
イスをくるっと回転させられて、お兄ちゃんと向き合う体制になる。
うわっ・・・近い。
そしてお兄ちゃんは、メイク道具を手にとって色の調整をしながら私の顔に塗っていく。
「・・・近い」
「ストレートな感想言うな」
きっと、お兄ちゃんが黒縁メガネをかけていなかったら死にそうになってる。
レンズ越しでここまでドキドキしてるのに、レンズがなかったら・・・死んじゃうんだろうな。
メガネ外した顔も・・・見てみたいっちゃ見てみたい。
思わず手を、黒縁メガネに伸ばそうとしてしまう。
だけど、理性と押しとどめる。
もう、限界に近いけど。
「お前・・・肌が白いからピンクが似合うな」
「んっ・・・」
「・・・そんな声を出されると、こっちはグロス塗りにくいんだけど?」
「・・・出ちゃうものはしょうがないでしょ」
「・・・・・・そういうもん?」
お兄ちゃんは少し呆れながらも、手は止めずにちゃくちゃくと進めていく。
「はい、終わり。鏡」
「わっ・・・」
鏡に映ったのが、自分って確認するのに約10秒かかった。
何っていうのかな・・・髪型を口で表現しにくい。
お団子っていうか、みつ編みがくるくるっと丸まっているって感じなのかな・・・。
「すごい・・・細かい。可愛い」
「お気に召しましたか?」
「うん。ありがとう。お兄ちゃん大好き」
「っ・・・・・・オレ、もう仕事だから」
「じゃぁ、玄関までお見送りする」
私はイスからスクっと立ち上がると、お兄ちゃんと一緒に部屋を出て、玄関まで一緒。

