八木さん家の5人兄弟。


「変・・・かな」

「・・・・・・じゃ、可愛い」

「何それ」

「とりあえず、それ置いて。イス座って」

 私はコクンと頷くと、首だけマネキンを棚に戻してイスに座る。

 少し高めに調整されているイス。

 私は足をパタパタさせた。


「はい、落ち着きなさい」

「はーい」

「じゃ、始めるよ」


 お兄ちゃんは、キュっと腕まくりをして櫛を手に取る。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・お前の髪。長くて細いな」

「・・・それって褒めてるの?」

「あぁ。ふわふわしてて・・・気持ちい」

「・・・・・・照れる」

「ん? あぁ、ゴメン」

 お兄ちゃんはくすくす笑いながらも、真剣に優しい手つきで髪をとく。

「巻いた方がいい?」

「お任せします」

「・・・軽くメイクもしたいから・・・今日はやめるか」

「メイク? お兄ちゃんがしてくれるの?」

「んー、まぁ」

「やった」


 私は小さくガッツポーズをした。

「あっ・・・・・・」

「ん? どうした?」

「何でもないっ・・・」


 時折、耳に触れるお兄ちゃんの指に体がビクンっとなった。

 そして声も小さく漏れる。

 
 ダメだ・・・。

 お兄ちゃんは気づいていないようだけど、私は耳に指が触れるたび、ドキドキしてしまう。