「変・・・かな」
「・・・・・・じゃ、可愛い」
「何それ」
「とりあえず、それ置いて。イス座って」
私はコクンと頷くと、首だけマネキンを棚に戻してイスに座る。
少し高めに調整されているイス。
私は足をパタパタさせた。
「はい、落ち着きなさい」
「はーい」
「じゃ、始めるよ」
お兄ちゃんは、キュっと腕まくりをして櫛を手に取る。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・お前の髪。長くて細いな」
「・・・それって褒めてるの?」
「あぁ。ふわふわしてて・・・気持ちい」
「・・・・・・照れる」
「ん? あぁ、ゴメン」
お兄ちゃんはくすくす笑いながらも、真剣に優しい手つきで髪をとく。
「巻いた方がいい?」
「お任せします」
「・・・軽くメイクもしたいから・・・今日はやめるか」
「メイク? お兄ちゃんがしてくれるの?」
「んー、まぁ」
「やった」
私は小さくガッツポーズをした。
「あっ・・・・・・」
「ん? どうした?」
「何でもないっ・・・」
時折、耳に触れるお兄ちゃんの指に体がビクンっとなった。
そして声も小さく漏れる。
ダメだ・・・。
お兄ちゃんは気づいていないようだけど、私は耳に指が触れるたび、ドキドキしてしまう。

