八木さん家の5人兄弟。


「わ、私!?」

「行くのはお前と、オレか翔だろ? 決まらないからお前が決めてくれ」

「えぇ・・・・・・」

 ・・・正直どっちでもいい。

 なんて考えてる私は残酷だろうか。

 カップル割引きくなら、どっちでもいいんだけど。


「・・・小夏くんって、こういう映画苦手ですか?」

「・・・・・・・・・・・・別に」

「翔ちゃんお願いします」

「は!!!???」

 小夏くんは1000%、苦手だ。

 こういう手の映画が。


 ぶっちゃけ、映画の券をチラ見して嫌そうな顔をしていたから。

 だから・・・まだ翔ちゃんは平気かな。


 って、思って。


「オレご指名??」

「・・・小夏くん、こういう映画苦手そうだったので・・・」

「・・・るせぇ」

「まぁ、じゃ。オレと行こう。悠斗、文句ないっしょ?」

「・・・・・・しょうがない」

「んー。じゃ、カップルっぽくしなきゃだろ?」

「え?」

 翔ちゃんの提案に、思わず驚いてしまった。

 カップル割引を提案したのに、なら翔ちゃんがその考えをするのは当たり前のこと。


 だけど・・・思いっきり驚いて。

 その提案をのめなかった。


「カップル割引だから。だから、これを気に敬語もやめよーぜ? ていうか、兄妹でいつまでも敬語とか変だなーとか思ってたし!」

「・・・わかりました」

「違う。タメ語!」

「わか・・・った?」

「ん。よくできましたー」

 翔ちゃんは私の頭をくしゃくしゃと撫でる。

 そんな仕草に、いきなりでビックリしたし。

 何だか恥ずかしくなって、キューっとうつむいてしまった。


 そんな私を翔ちゃんはクスクスと笑ってる。

 ・・・照れくさい。