八木さん家の5人兄弟。


「え・・・あ・・・」

「・・・そろそろご飯出来たかな。リビング行こう」

「え・・・はい」

 巧くんは一瞬驚いた顔を見せたものの、すぐにニッコリと笑ってスっと立ち上がる。

 何だ・・・ドキドキしたのは私だけか。

 
 何だか拍子抜けで、私はドライヤーのコンセントを抜いてしまうと、手をついて立ち上がった。


「あー・・・やっべ」

 ふと、そんな声が巧くんから聞こえたような気がしたけど。

 ううん、気のせいだ。