八木さん家の5人兄弟。


「・・・・・・自分で拭けるっての」

「あっ・・・ごめんなさいっ」


 つい、恭ちゃんの頭をタオルでゴシゴシしていた。

 わぁ・・・絶対ウザイって思われちゃったよ。


「あのさぁ・・・何でオレにかまうわけ?」

「心配だからです・・・」

「オレ、性格悪いのに?」

「・・・悪いかなんて、まだ分かりません。まだ恭ちゃんのこと・・・ちゃんと知りません」

「・・・じゃぁ、知ってみるか?」

「え!?」

「冗談だ・・・。あぁ、やっぱりお前ウザイ」


 ウザイと口に出しながら、恭ちゃんは頭をゴシゴシとタオルで拭く。

 そして自分の部屋に戻っていく。

 恭ちゃんのトンガリボーイめ。

 
 私は口を尖らせて、うーっとうなった。


「ただいーまっ!?」

「あ、巧くん」

 巧くんが帰ってきた。

 だけど、すっごく驚いた顔をしている。

 何かあったかな?


「お前・・・何で風呂上りの格好で玄関にいるわけ?」

「あ・・・。えと、その・・・恭ちゃんが帰ってきて、びっしゃで、タオル・・・ウザイで・・・」

「・・・あのさぁ、その・・・ゆっくりでいいから、きっちんとしゃべろ」

「うー・・・」

「まぁ、大体分かったけど・・・。恭介が帰ってきて、びしょ濡れで、タオル持ってきてあげたんだろ? で、ウザイって言われた?」

「すごい・・・」

「アイツの性格なら大体分かるから。で、お前はさっさと・・・自分の部屋行って」

「え・・・」

「あのねぇ・・・風呂上りってその・・・エロイから。やめていただきたいなー・・・みたいな」

「あ、あっ!」


 私は恥ずかしくなって思わず後ろを向く。

 あぁ・・・お兄ちゃんにも言われてたことなのにぃ。


 だけど・・・今の私・・・エロイのか。