「・・・・・・自分で拭けるっての」
「あっ・・・ごめんなさいっ」
つい、恭ちゃんの頭をタオルでゴシゴシしていた。
わぁ・・・絶対ウザイって思われちゃったよ。
「あのさぁ・・・何でオレにかまうわけ?」
「心配だからです・・・」
「オレ、性格悪いのに?」
「・・・悪いかなんて、まだ分かりません。まだ恭ちゃんのこと・・・ちゃんと知りません」
「・・・じゃぁ、知ってみるか?」
「え!?」
「冗談だ・・・。あぁ、やっぱりお前ウザイ」
ウザイと口に出しながら、恭ちゃんは頭をゴシゴシとタオルで拭く。
そして自分の部屋に戻っていく。
恭ちゃんのトンガリボーイめ。
私は口を尖らせて、うーっとうなった。
「ただいーまっ!?」
「あ、巧くん」
巧くんが帰ってきた。
だけど、すっごく驚いた顔をしている。
何かあったかな?
「お前・・・何で風呂上りの格好で玄関にいるわけ?」
「あ・・・。えと、その・・・恭ちゃんが帰ってきて、びっしゃで、タオル・・・ウザイで・・・」
「・・・あのさぁ、その・・・ゆっくりでいいから、きっちんとしゃべろ」
「うー・・・」
「まぁ、大体分かったけど・・・。恭介が帰ってきて、びしょ濡れで、タオル持ってきてあげたんだろ? で、ウザイって言われた?」
「すごい・・・」
「アイツの性格なら大体分かるから。で、お前はさっさと・・・自分の部屋行って」
「え・・・」
「あのねぇ・・・風呂上りってその・・・エロイから。やめていただきたいなー・・・みたいな」
「あ、あっ!」
私は恥ずかしくなって思わず後ろを向く。
あぁ・・・お兄ちゃんにも言われてたことなのにぃ。
だけど・・・今の私・・・エロイのか。

