「ね、雪・・・ちゃんだっけ?」

「え?・・・」

「私、栗山優香。出席番号7番」

 肩ぐらいまでの髪を揺らしながら、自己紹介してくれた女の子が微笑んだ。

「栗山・・・さん?」

「そう。ね、雪ちゃんって八木先輩の妹さんだよね?」

「うん・・・」

「じゃ、色々大変だよねー。女子にたくさん聞かれちゃったり? あ、私はあんまり聞いたりしないから。普通にガールズトークしよっ」

「!・・・ありがと。栗山さん!」

「優香でいいから。ね、雪ちゃん」

「うん、優香ちゃん」

 転校してきて1日目。


 大変だったけど、友達が1人出来ました。


 とっても可愛くていい友達です。


 私はふと、窓の外の景色に目をやった。

 赤くなった葉っぱが、風に吹かれて落ちる。


 ここの席から見える景色っていいもんだなぁ。

 窓側最高。


 最初は窓側は回りに人がいないから、友達できにくいなんて思ってたけど・・・。


 優香ちゃんみたいな子もいるんだ。


 こうやっていい景色も見えたりするんだ。



 
 ならこの窓側をいいと思える。