「ねぇ・・・恭ちゃん。何で・・・前は恥ずかしいとか言ってたくせに、なんで・・・今日はこんな積極的なんですか」

「腹たった」

「え・・・?」


 意味不明。


「お前が、他の男に触られたとかまじねぇわ。ウゼぇわ。イヤだし」


 
 無愛想で。


 口を開けばウザイしか言わないような人で。


 なのに、


 子供みたいに少しすねてみせる恭ちゃん。



 か、可愛いっっっ。



「それに、恥ずかしいからだけが理由じゃねぇよ、お前に触れないのは」

「え?」


 何それ。

 初耳。


「触れたら、止まらなくなりそうだろ」


 耳元でそっと囁かれた言葉。


 ぞくっとなって、自然と背筋がピシっとなる。


 
 恭ちゃんは


 不適な笑みを浮かべて、私を見つめている。



 妖艶ともいうのかな。


 そういう、色っぽい笑み。



 飲み込まれそうなんだよ。