「正確にいうと、3人だ。リンネもいるしな」

天空の騎士団長であるサラと…ギラ。そして、炎の騎士団長である(あった?)リンネ。

「フン!」

機嫌をそこねたのか、サラはもうギラの方を、見なかった。

「やれやれ…」

ギラはまた肩をすくめ、坂から見える…人が支配している世界を眺めた。

「何て…醜い世界だ。空気も汚染されている」

ギラは顔をしかめると、

「王の命でなければ…誰が、こんな臭い世界に…人間臭さ過ぎるわ」

ギラは、唾を吐いた。

「やはり…人などをのさばらすと、ろくな世界にならない。ここが、いい例だな」

歩きだすギラの耳に、近づいてくるパトカーのサイレンと、ヘリコプターのモーター音が聞こえていた。

ギラがその気にならば、都市の一つぐらい…数秒で破壊できた。

「目立つなと…言われてるしな」

気を探ると、サラの気配が消えていた。

「あの野郎!」

ギラもまた、テレポートした。




坂を上り、病院についた警官や、

上空から近づいたヘリコプターが見たものは……

塵一つない空き地だった。

そこに、病院があったという証拠は…どこにもなかった。

どこにも……。