3月1日――。


俺は今日、高校を卒業した。

原木君と他愛ない話をして別れ、俺は校舎裏へと向かった。

女郎花の押し花のしおりを、ポケットに入れて。


「優花、来たよ」

俺は花壇に向かって呟いた。

そして、スコップで土を掘る。

彼女からのプレゼントを貰う為に。


カツン。

何かに当たる音がした。

彼女からのプレゼントを見つけると、自然と土を掘る手が速まった。


プレゼントは赤色で、クマのイラストが入った缶の中に入っている。

箱を開ける間、俺の胸はドキドキしていた。


中には手紙と、何かの種が入っていた。


「朝顔の……種?」

種は箱の中に戻し、俺は手紙を読んだ。