「あたしはもう死んだの。この世の人間じゃない。今のあたしは、この世にいちゃいけない姿なの!」

「それがどうした」

俺は彼女に近づき、彼女の体に触れようとした。

しかし彼女は避け、俺はギリギリ彼女に触れることが出来なかった。


「最初はさ、ただ幽霊だって気づかれたくないからだと思った。けど、本当は自分が幽霊だって認めたくないから、体に触れられるの嫌がるんだよな」

どうやら図星だそうで、彼女は泣き出した。


「本当は幼馴染みだったって言うのが辛いんだろ? ずっと幼馴染みでいたいし、死んだって自覚するのが怖いんだろ? だから優花は、まだこの世にいるんじゃないのか?」

彼女はしゃくり上げながら頷き、もっと泣き出した。


「幼馴染み……止めたくない……っ」