冬の香り

「どうした?」


返信はたった五文字。当然予測はしていたが、実際届いてみるとあっけない。

どうした…か。

本当にどうしたんだ、アタシは。

自分でも馬鹿を晒している事はわかっている。


「別に。ただあんな子供みたいなのほほんとした子よりも、アタシみたいに大人の落ち着きを持った女の方が秀には合うと思う。」


「確かにあいつは子供だが。俺はそこが良いと思ってる。今日会ったばかりのお前に俺の何がわかる?」


「とにかくアタシにしなよ!アタシは色々と経験豊富だし、絶対楽しいと思うわ。」


「遠慮しておく。俺は別に香緒の事は好きではないしな。」


それは秀の気持ちをこっちに向けられたら良いって事?上等じゃない。

アタシを誰だと思ってるの?

どれだけモテると思ってるの?

やってやる。アタシは絶対秀を奪う。

心の奥に炎が燃え上がったのがわかった。