楽しんでる。このうえないくらい楽しそうな顔してるよ。
こいつ・・・・・・・ドSだ。
私を超えるドSだ。
もう、無理だ。
諦めなさい桜。この男を騙そうとした事自体が無謀だったのよ。
敗北感たっぷりの状態で大地の首に回していた腕を外す。
だが、次の瞬間。腰に手がまわりぐいっと引き寄せられる。
「っ!?」
一気に互いの顔が近くなる。
私の表情が固まる一方で大地は依然として余裕の笑み。
それどころか先程と同じ楽しくて仕方ないみたいな顔をしている。
もう、こいつ嫌いだ。
絶対、大っ嫌いだ。
この時、私は完璧に気を抜いていた。
言うなれば無防備と言うこと。
腰に回っていた手に力がこもった事に気付かなかった。
そして一気に力を加えられ大地との距離が0になる。

