天才姫と最強総長のワケアリな関係!?




自然と足が数歩さがる。



まずい状況になった。非常にまずい状況に。


「待てよ」


彼の透き通った声に知らないうちに動いていた足が完全にとまる。

ふわっと風に押されたカーテンが舞って彼の顔が見えなくなる。



面倒なことになった。非常に面倒なことに。



サーーと風が引いていく。それと同時に舞っていたカーテンももといた場所にもどる。


私は一縷の願いをかけた。カーテンの向こうにいる少年が彼でないこと。


しかし、私の願い虚しく。


カーテンの向こうには整い過ぎているその容姿で笑う…――橘 大地がいた。