そんなさなか、いまさらになって自分に集まる視線に気づく。
教室をぐるりと見回せば幾つもの目とカラフルな頭がたくさんこちらを向いていた。
それはもうたくさんカラフルな。
茶、金、青、赤、緑、グレー、紫、藍、白…………しろ?
白なんて年取れば嫌でもなるのに何故?
「リュウちゃん。そのお方様は?」
比較的目に優しい髪色の男子が声をあげる。
「ん?あぁ、こいつはお前らのせいで胃に穴あいて入院した山田先生の変わりに来た陽島和泉[ヒジマ イズミ]先生だ。山田先生が復帰するまでの間、このクラスの副担任と音楽の先生を受け持ってもらうことになった」
リュウが呆然とする生徒たちを前に坦々と私の紹介をしていく。
しかし、その話題の中心人物である私の心を引き付けているのは、生徒たちの頭だ。
うわぁ、あれなに?ショッキングピンク?
確かにあんな色の頭になった息子さん見たらお母様もさぞショッキングだっただろうに。
あれ。ちょっと待って。あの子、半分髪が無い。え、刈り上げ?刈り上げなの?いや、それにしも半分だけは無いだろ。
刈り上げるなら中途半端じゃなくて一気にいきなさいよ。ハゲたいのかハゲたくないのかハッキリしなさいよね。

