「なぁ、昨日のドラマ見たか?かっこよかったよなー」
「あぁ、あれ? 最近よくテレビにでてるよな、あの俳優。えっと、光月春樹だっけ?」
「そうそう。でも、俺が言ってるのは女優のほうね。あ〜菫さん綺麗だよなぁ。俺もあんな人とつきあいてぇよ」
「あーー、綺麗だよなぁ。幸瑞菫。でも、確かさっき言ってた光月春樹と付き合ってるんだろ?」
・・・・・・・・・・・。
「はぁ!?まじ……て、えぇぇえ!!!!!龍ちゃん!?」
「先生、いつの間にいたんですか?」
「いや、その前に反応おそずぎでしょ」
いい加減黙っていることができず思わず口を挟んでしまった。
「っ! おい、さく…じゃなかった和泉!お前勝手に入ってくるなってあれほど…」
「気安く名前で呼ばないでくれませんか?虫ずが走ります」
「な!? お前それはいくらなんでも……」
腕を組みながら冷たく言い放つ私に対しリュウが酷く傷ついたとでもいいたげな顔で見下ろして来る。
「そして見下ろさないでくださいよ。苛々しますから」
「いや、無理だろ。俺の方が身長たけぇんだから」
「なら三好先生が地べたにはいつくばればいいだけの話です」
「俺の人権は!?」
「こんな事にわざわざ憲法を出してこないでください。それに、先生の人権なんてあって無いようなものです」
私が冷たくそういうとリュウは何とも言えないような顔で私を見下ろしてきた。
ちっ。だから見下ろすなと言ったのに。