「龍。弟いたっけ?」 「はぁ? お前……いくら会わないからって悠李のこと忘れることはないだろ〜」 「あー、うん。ゴメン。そんなことよりオカマ!! 速くして」 私は素知らぬ顔で龍を無視して目線を扉に向ける。 「何よぉ。無粋な女ね」 オカマは、ぱっと雪治を離すと私が座っているソファーに腰を下ろした。 意外と素直に動いたことに内心驚きつつ運ばれてきた紅茶に口を付ける。