私が小さい頃に他界した母と同じ名前の《空-ソラ-》。
元々、身体の弱かった母は私が6歳の時に亡くなった。
ぼうっと空を見る私に何か感じたのか「そういえば」と雪治が言葉をもらす。
「空さんにも知らせないとな。今日の事。」
「別にいいよ。望んでなったわけじゃないし」
「それでも………だよ」
「……あっそ」
お節介なやつめ。
捨て子だった雪治がうちに来たのは7歳の時。その時はもう母さんは空の上だ。
それに、母さんは元々私をそっちの仕事に着くのを嫌がってたみたいだから逆に悲しみそうだし。
でも、まあ……いちよこれだけ言っとくかな。
「雪治」
「ん?」
「ありがとう」
そう言って笑うと雪治も照れる様にして笑った。
7歳の時、偶然入った取り壊し予定の建物の中で見つけた。
辛いくせにに泣かずにじっとナニカにたえる見たいにうずくまっていた。
例え、血が繋がってなくたって弟。家族。仲間だ。

