「さっきも言ったけどでかいな」
再び松島学院の門の前に立つと、雪治はポツリと声をもらす。
私はそんな雪治を軽くかわして松島学院に足を踏み入れた。
「桜、桜!!!」
「何」
「俺達ガッツリ私服なんですけど!!!」
「仕方ないだろ。制服が来なかったんだから」
「電話かけろよ!!!」
「ヤダよ。面倒くさい」
「そんな問題じゃないだろ!!!」
そんな問題なんです。
本当に面倒くさい。
家に帰りたい。
そう。私達は私服だ。でもけして私服登校と言う訳ではない。
れっきとした制服登校だ。
だってパンフレットに書いてあったし。
そしてもう一つ。
私がここにはいるにいたって大きな問題がある。
その問題はこの学院の長所でもあり短所でもある。