チリンチリン
「はい、いらっしゃいま―――って、虎ちゃんか」
「おはよう、杏ちゃん。」
店に入ってきたのは男子生徒二人。
「木島さんもいらっしゃい」
「あぁ。」
木島と呼ばれる背の高い生徒は一言いうと店内を回りだした。
「杏ちゃん、いつものある?」
「はいはい、ちょっとまってね」
杏は厨房から特別に一般に販売するのとは別に取り分けておいたパンを袋につめると、パタパタと売り場に向かう。
「はい、どうぞ」
「ありがとう。で、なんかあったの?」
「さすが幼なじみ!! 分かった?」
興奮気味に詰め寄る杏に苦笑いをする。

