あいつはどうしてあー学習能力がないんだがな。 再び額に手をおき首を横に振る。 それから"比奈森さん"に顔を向け軽く頭を下げて外に出る。 「美味そうなパン・・・・ありがとうございます。"比奈森 杏さん"」 目を細めて笑うと比奈森さんは驚いたように目を開いた。 「え!? な、なんであたしの名前!?」 なにも言わずに笑うと彼女もニッと笑ってこう言った。 「美味そうじゃなくて美味しいだよ!!! 桜ちゃん!!!」 思わず驚いて目を見開くがすぐに笑みに戻し私も笑った。