「ああ、そうだった。大変何だよ!泥酔した一月さんが"主役の桜がいねぇじゃねーか"って騒ぎ出してもう大騒ぎで、」
「ほっとく。じゃなきゃ水ぶっかける」
「そんなこと出来るか!頼むから席に戻ってくれよ〜」
あのくそ兄貴。酒弱いくせに飲むからダメなんだ。
ていうか、一月の酒癖の悪さ知ってんのにそんな状態になるまで飲ませるか普通。
私には関係ないね。
今日は私の任命式的なものがあった。
《私の家は堅気ではありません》
近寄ってくるうっとうしいやつらに何度いったことか。
私は、すこしばかり大きめのやくざの家系に生まれた。
そう、簡潔にいってしまえば極道なんです。
しかし、一月・・・・・私の兄が跡目を継いでからは、少し大きめな会社に変わりました。
とか簡単に言ってはいるが、はっきり言ってしまえば「そんないつ警察にしょっぴかれるかもしれない事怖くてできません」っという情けない裏事情があったりなかったりもする。