意識を失った桜を布団に横たえしっかりと手を握る雪治。


「これが原因か」

一月が桜が持っていたファイルを拾い上げる。


「一月」


「あぁ」

今にも泣きそうだしそうな百合を抱きしめて頭を撫でる一月



「桜、おやすみ」

「えぇ。今はすべて忘れてゆっくり眠るの」


一月と百合の優しい声に苦しそうにしていた桜の表情がほん少し和らいだ。

「・・・・・・・」


雪治はベッドで寝ている桜の手を黙ったまま強く握っていた。