「・・・・・くら。」
・・・・・・・・・・。
「・・・・・桜!!」
私を呼ぶ声に気づき・・・・・・と言うより気付いていたけど無視していた声がうるさくなってきたので上げていた顔を下ろしその声の主・雪治に顔を向けた。
こいつは、豊岡雪治-トヨオカ ユキジ-。歳は15。私の幼なじみで弟みたいなやつだ。
因みに、私とは同級生だ。
私の方は既に誕生日が過ぎているので今は1つ歳が上の状態。雪治は12月が誕生日なのでしばらくは15歳のままになる。
「おい桜!お前絶対聞こえてたよな!?聞こえてたのに無視したよな!?」
「あーハイハイ。ごめんなさいね」
私は耳を手で多いながら「うるさい」とジェスチャーする。
雪治は、私の反応を見てさらに何か言おうとしたが強制的に話を打ち切って用件だけを言うようにうながした。