まだ幼かった私は母の言ってることがきちんとした意味では分からなかったが何か感じるものがあったのかもしれない。



「わかった。わたし、がんばる。でもねでもね? どうしたら"本当の強さ"ってもらえるの?」


すると母は少し困った顔をした。

「うーん。貰うとは少しちがうんだけど・・・・・でも」




一旦、言葉を切った母は少し困った顔から・・・・・・・・


まるで天使のような笑顔に変わりわたしにこう言った。



「探して、見つけなさい。あなたが心の底から守りたいと思う人達を」


そう言ってわたしの鼻をその細く白い指でチョンと触った。








そして、それがわたしと母が交わした最後の会話になった。