「おお!すげぇ、入った!」
元気なやつだな……。
私はそう思いながらはしゃぐ雪治の様子を見つめた。
「ん?どうかしたか?」
「いや、ちょっと懐かしいなって思ってさ」
唐突にそんなことを言い出した私を雪治は不思議そうに見つめながら口を開いた。
「…?どうした?腹でも痛いのか?」
「なんでそうなる」
すかさずツッコミを入れると雪治はケラケラと笑って荷物の準備をしだした。
私も一度キッチンに向かいキンキンに冷えた麦茶をコップに注ぎ入れ、それを持ってもといた場所に戻った。
「そういえばさ、さっきみたいなやり取り中学の修学旅行の時もやったよね」
「あぁ、中2ん時だっけ?あの時は」
「3人で準備したよね。すごく楽しかったな。わたしと雪治がお菓子だけキャリーバックに詰めて大地に怒られたり。なんで女友達ができないのか不毛なやり取りを──」