なんで私が離れにいるんだ。
どうして自室じゃなくて離れにいるんだ。
「たく、やっと試験が終わって帰ってきてみれば「お前は家にはいるな」だと?ふざけんじゃねぞこのクソヤロ!!!」
アワアワとしている雪治を無視して近くにあった柱をゲシゲシと蹴り続ける。
「や、やめろ桜。お願い、柱が壊れるからやめろ!!」
「あの愚兄。本当に殺すか?でも無闇に豚小屋には入りたくないし。そんなことしたらこの16年間何のために三猿してきたのかにわかんねぇし。あぁ、でも殺したい!!」
沸き上がる衝動をひたすら柱へぶつける。因みに靴は履いているので安心だ。
「(怖い。怖すぎる。てか、さんざるってなに!?)」←漏れてます。
「見ざる聞かざる言わざるのことだ!」
「ひぃ!なんで俺の心の声きいてんだよ!?しかも何気いい子街道まっしぐらじゃないか!」
「当たり前だろいい子にしてなきゃサンタが来ないじゃないか!」
「理由あったよ!豚小屋にはいらない以外で16年間三猿してきた理由あったよ!」
そうだ、サンタにお願いすればいいんじゃないの?きっとサンタなら他殺に見えないように愚兄を殺してくれるはず。
(言えない。こんな状況で百合さんが誘拐されたなんて言えない。きっと今ごろサンタに頼めば一月さん殺せるんじゃとか考えてるに違いないし……!)
「よし雪治。フィンランドにいくぞ!」
(やっぱりそう来るかぁぁあ!!)

