あれは、一年ほど前のこと。
私が特別に大学卒業資格を貰える試験を受けて結果まちをしていた時期だった。
それは丁度、先代から一月に代替わりをしたばかりのことで家が色々とごたついていた時でもあった。
跡を継いだ一月が最初にした事は、組内の不穏分子を取り除くこと。
そのせいで、元々早すぎた代替えに反感を持っていた不穏分子の奴らが暴走。
あげくのはてには百合さんを拉致軟禁してしまい、一月を本気で怒らせてしまったのだ。
その荒れぐあいを見かねた先代である私達の父親が仲介人を呼んで話し合いでの解決を強制させた。
その仲介人が橘 紫だった。

