大地がやや目を開きながら聞き返すと雅彦さんの顔がパッと華やいだ。
「紫くんには仕事上いつも色々助けてもらっていってね。いやぁ、それにしても紫くんからきいたとおり立派な息子さんだね」
雅彦さんは感慨深そうに頷いたあとまた思いついたよにパッと顔をあげた。
「ちょっと待っててくれるかい?」
そう言うといそいそカウンターの方に引っ込んでいった。
「あの人は一体なにをしている人なんだろ」
弁護士事務所の社長とよく関わるなんて普通に働いてたら有り得ないでしょうに。
じゃなくて!
「大地お前、あの橘法律事務所の社長の息子だったの!?」
私は座ってた椅子をガタッと鳴らしながら勢いよく立ち上がる。
橘法律事務所と言えば今ある日本の法律事務所の中で、今もっともやり手と言われてる事務所の名前だ。
「橘 紫-タチバナ ユカリ-の……………息子」
あー、あー、
めっちゃ仲わりぃぃぃい………!

