1人で黙々と考えていると肩をトントンと叩かれ一旦そちらに顔を向ける。
「なに、大地」
肩をトントンしてきたのは大地だった。相変わらず無表情に飯を食ってるのかと思えば、なにやら真剣な顔をして私の事をじっと見つめてきた。
何事かと目を見開けば、おもむろに近くにあった唐揚げを食べるとくちもとを指で指さしながら、
「食べ物を飲み込まなければ話せるんだ」
・・・・・・・・・・。
「なるほど!」
「うん、なるほどじゃないから。それと大ちゃんは俺の期待を裏切らないでね」
「もう、大ちゃんダメでしょ」見たいな、どこぞのオカンのような説教を大地にしているハジメを横目に再び食事を再開する。
あの奇跡的な師匠達との再会から1週間。私は見事に「梅雨前線なう」の味に惚れ込み毎日のように通うようになった。
ここをきりもりしていたのは50代後半のおじさんだった。おじさん…………と言うよりおじ様と言った雰囲気の人で思わず「マスター」っと呼びたくなるような顔をしていた。
そしてもっと言ってしまえば店のデザインもおしゃれで最早バーだ。もうマスターでいいと思う

