俺は気づかなかった。 いや、もしかしたら気づかないフリをしていたのかも知れない。 俺にとっては甘美な、桜にとっては残酷な真実。 それは、ゆっくりと。しかし確実に、桜自身を染め上げていたことに。 俺はお前を守りたい。ただ、それだけだ…………………――――――――――――。