気にくわない。
俺はきっと、表情だけで今なにを考えているのかが分かるぐらいのしかめっつらをしているんだろう。
「アハハ!大ちゃん。気に食わないって顔にでてるねぇ。因みに何がそんなに気に食わないわけ?」
「全部」
ニヤニヤしながら聞いてくる創にイライラを増加させながら、思ってる事をきっぱりといいきる。
「全部気にくわない。なんでこの時期になって戸崎が喧嘩仕掛けてきた?寄りにも寄って桜がいるこの状況で。いくら何でもタイミングが良すぎる。後は創の顔」
「俺の顔最後に入れちゃうかぁ」
「あぁ。こういう時にお前みたいなのを見るとイライラする」
「うわ、心にヒビが…」
勝手に入れとけ。
創を冷めた目で見ているとガチャと扉が開きいつの間にか電話で席を外していた悠李がはいってくる。
と、同時に同じ理由で席を外していた剣輔も入ってきた。ベランダから。
「大地。戸崎が動く日が分かりましたよ」
「こっちも。この件に誰が関わってんのか分かったぞ。紫苑が頑張ってくれた」
その言葉に目を細める。
戸崎 渉-トザキ アユム-。四走に所属していないグループのトップしている男。俺らはそのグループを「名無し」と呼んでいる。
元々、名前のないグループだったからそう呼ばざるおえなくなったってだけなのだが。
四走と名無しの戦力はほぼ互角。
こちらはこの世界の中でも一際力の強い四つのグループが一緒になりそれでいて傘したのチームがいくつかある。
あちら側は、強弱それぞれのチームが合併してできたグループ。なので所属人数が四走の倍はある。だか、全体の戦力で見れば四走側が一歩先を行く。

