そう言いたい気持ちを押さえ口をモグモグ動かしつつ、次の肉目掛けて箸を動かす。
すると自分以外の箸が私の肉を横から奪った。
「あ」
「ふっ、弱肉強食。それがここでのルー」
「白菜」
何か話している壱哉を遮り味の染み込んだ白菜をとる。
「弱肉強食」
私はそういって鼻で壱哉を笑った後、肉と白菜を口の中にいれた。
「 ? お前なんで肉…………って、俺の肉は!?」
「桜ちゃんの可愛いお口の中♪」
「なにぃ!?お前いつの間に俺の肉をとった!!」
ハジメの言葉に壱哉が私の方にバッと顔を向ける。
「私は無関係だ。肉が勝手に野菜について来たんだから」
「んな訳あるかぁぁあ!!」
うるさいな。弱肉強食のこの世界で気を抜いたお前にすべての原因があるんだろうが。
新しく追加した肉をモグモグ食べながら冷めた目で壱哉を見つづけていると、不意に口元を拭われた。
「んぐっ」
「口元。汚れてるぞ」
「んん……。ありがとう大地」
「ああ」
軽く笑いながら言う大地を見つめ、ふと思った事。それは、意外と大地は尽くしたがりということ。

