死人に縋ってどうする。
「………私も歳かしら」
口調を戻し、明るい調子に独り言を呟く。
「難しいことは若いモノにまかせましょう!」
気分を切り替える為、珈琲を煎れて席につく。
窓の外を見ると丁度、桜が歩いてるのが見えた。
「……ちっさいわね」
なのにどーして、あの子の背中が大きく見えるんだろう。
ポツリと呟いた後、珈琲を口の中に流し込む。
「まずいわ」
涼しい風を感じながらゆっくり目を閉じる。
――あいつらはやっぱり繋がってなきゃ生きていけないのか?
言いかけた言葉をそっと胸にしまいこんだ。
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