そういえば、風間や津田もいつの間にかいなくなっている。 橘は最初からいなかったが残りの三人は確実にいたはず。 かばんに教材を入れながら悶々と考えていると、はたと雪治が言っていたことを思い出す。 「あ、忘れてた」 雪治から言われた用件を思い出し落胆する。 また、俺の時間がなくなる。 "はぁ"とため息をこぼす。 時計で現時刻を確認した後、差ほど焦るでもなく絶叫こだまする教室を後にした。 この時点で俺は30分以上の遅刻が確定していた。