まぁ、雪治と友達になるのはいいよ。良い奴だしね。たまたま生き抜きで見てハマったアニメの話しもできる。


ただ、だからといって。どーして、極一般家庭出身の俺みたいなのでも知ってる"あの"天王寺家・姫君の下僕見たいな事をしなきゃいけないんだ。


あの「お友達発言」の後、俺は向かいにある空き教室につれてかれた。


そして、陽島和泉が偽名であることと仕事についての情報を"無理矢理"聞かされ見事に共犯者扱い。


揚げ句の果てには、どこからほり上げてきたのか俺の個人的な情報を持ち出し脅された。


雪治は散々頭を下げてくれたが肝心の天王寺桜からはなにもない。それどころか次の日には下僕扱い。


まったく、たまったもんじゃない。


まあ、それもこれも今日で終わり。さっさと帰ってバイオリンの練習をしないと。次のコンクールまであと一ヶ月もない。


そそくさと帰り支度を始めていると橘がいないことに気づく。


あいつは根が真面目なのか、授業にはきちんと出席をしているタイプだから少し驚く。そういえば、雪治もいない。