「良いですか?今は良いですけど、大人になったら一つのバケツにしぼらなきゃダメですよ?先生、応援してますから!」


「え、それじゃあ俺が変態見た」

ハジメの言葉を遮るようにガチャリと扉が開き、バケツに水を満タンに入れ終わった美言君と雪治が入ってきた。


「はい、バケツちゃん4つ…じゃなかった。4人満タン入りましたー」


ナイスタイミング美言!


私は心で親指を立てながらハジメに笑顔を向ける。


「さぁ、来ましたよ!バケツちゃん達と廊下でデート。頑張ってください!」


「…………………すいませんでした」



深々と頭を下げるハジメに「まぁ、意気地のない」と呟いた後、パシリ二人にバケツはベランダに置くように指示をする。


はぁ、今回はかなりのストレス発散になった。



まあ、あれだよ。人間として最低だと言うことは百も承知。でも、こーでもしないとストレスがかなりやばい。



今の時間は数学。午後の一番最初の授業でお腹も膨れ眠くて仕方ないはずの時間だ。それに加えて担当の教師が出張でおらず自主。


これは寝ないでどーする……っという最高の状態にもかかわらず、最近の男子高校生は眠気より勉学ときた。



はは、もう感動で涙が出そうだ。