「先生!問2がわかりません!」
「Xに代入してください」

「先生!Xが式にありません!」

「見つけてください」

「無理です!」



ここ松島にきてはや一ヶ月。天王寺桜。早くも限界突破です。


「桜ちゃん。もう問題を見ることさえ放棄しちゃってるね」

「仕方ないんじゃないか?俺だったら一週間と持たないし」

「ケンって意外と打たれ弱いよね」

「…言うな」


よし、決めた。今日はハジメと津田に八つ当たりしよう。


「風間君、津田君。余計なお喋りしてると口に水の入ったバケツくわえさせて廊下に立たせますよ」

「やん。先生たらいきなりそんな過激プレイなんて、俺…!」


・・・・・・・・・・・・。




「美言君。バケツ4つに満タンで」

「はいはい」


「雪治も行ってきてください」

「はーい!」


美言君は面倒そうに。雪治は楽しそうに教室からでていった。


「え?本気?」

「俺は黙ったぞ」


顔をしかめながら聞いてくる津田にニッコニコの笑顔で言い返す。

「津田君は黙ったので良いですよ。はい、飴ちゃんあげます」

「あ、あざーす」

「ちょっと俺は?」

「貴方はバケツちゃんとランデブーしたかったみたいなので。あ、授業は大丈夫ですよー。数学の佐田先生には異常はなかったと言っておくので♪」

「え、ちょっ」

「でも、先生4又は感心しないなぁ」


なにかを言おうとするハジメを無視しいっきに畳みかける。