「入ってくるときにノックぐらいしろ」


失礼だ。
いくらそんななりしてるからってマナーくらい守れるだろうに。

私だってするぞ。
声で。


「アンタだってしないでしょうに。それにいいじゃない。レディー同士なんだから♪」


「・・・・レディー・・・・・ですか」

「なに?」

「・・・・・・」


最後に「きゃはっ」が付きそうなテンションからどこぞの怖いお兄さんの様な声色に変わる。


しかも、あんたこの前オカマじゃないって言ってたくせに。

なんだよ。もう下の方の処理が終わたってことか?


それらをふまえ、お前はどう考えても違うだろと言いたいのをぐっと堪え次の説明を待つ。



「こほん。今私達がいるのが教員寮よ。生徒の間では監視館とも言われてるわ。それとこの仕事をしてる間はここで寝泊まりしてもらうわ。基本的には自炊だけど料理が作れない子も多いから各寮ごとに午前5時から午後10時までやっている食堂もあるから時間内ならそこで食べてもOKよ。それと、立場上あまり深夜の外出は控えるようにね。教育に悪いから」



アンタが言うか。
存在そのものが教育に悪いだろ。

「オカマなめんなよ」

「・・・・・」