クラスメイトと話しているその間も 季壱からは目を離さなかった。 焦げ茶色の髪の毛が校舎へ消えていったのを見て、私は席に戻る。 ――そしてそれと同時に携帯がバイブ音を鳴らした。 『俺のこと、見てた?』 その文を見た瞬間、ふっと笑いが溢れる。 送り主は――片山季壱。