海☆恋





「立花…………。」



ドキ



突然後ろから声をかけられて私は、びっくりして後ろを振り返った。



すると未だ機嫌の悪い楓が私を見下ろしていた。



その目には怒りしか感じとれなかった。



「朝、何でそのまま行ったんだ?」



どうやって返したら良いか分かんない。



私は、自然と楓から目を逸らしてしまった。



未だ私に鋭い視線が突き刺さる。



もう無理!



私は、耐えきれなくなって教室に入ろうとした。



グイ



「キャッ!」



楓が私の右手を左手で掴んで引き戻した。



「俺の話はまだ終わっていないが?」



どうしょう?!言わないと離してくれないかなぁ?



私が迷っていると後ろで溜め息が聞こえた。



楓は、突然手を離した。



「もう授業が始まる……………話は後でしょう、逃げるなよ?」



それだけ言い残すと教室へと戻っていった。



「立花、そろそろ先生が来るわよ。」



未来が顔だけ出して声をかけてきた。



「あ、うん!」



私は、早々に教室へと入った。



でも、この時はまだ知らなかった、あんな事があるなんて……………。