そんな中、彼に声を駆けた人物が一人だけいた。 「凉、おはよ」 「…コウ。…おはよ。」 そう、坂本だ。 クラスの視線が彼らに集まる。 二人は気にする素振りも、何も見せない。 坂本は普段通りのポーカーフェイス。 凉は先程と変わらない、魂の抜けたような感じ。 会話に耳をすませても、彼女との事は聞こえてこない。 話題に出していないのだろう。 触れられるわけがない。 すると、皆面白くなくなったのか、話の続きを喋り出した。