そう聞くと、答えになってない答えが返ってきた。 「お前、一緒にまわる人いないんだろ?だから一緒にまわってやるよ!」 「なにその上から目線」 坂本には似合わない、と思い吹き出してしまった。 …この人は、いつだって私を笑わせてくれる。 落ち込んでるとき、いつも。 坂本は優しい人だから。 「どこいくの?」 「んー適当にまわろーぜ!」 そう言って私の腕を掴むと、人混みの中を駆け抜けた。