「ほんとは怖かったんじゃないの?」 「…怖くなかったから。」 こんなときすら素直になれない自分が恨めしい。 強がってばっかで……。 「素直になったほうが可愛いよ」 やめて。 私の心、掻き乱さないで…。 凉は私に手を差し伸べてきた。 ためらいながらも、私はその手を握った。 今だけ。 今だけだから…。 素直になってもいいですか?