「前から思ってたけど…白石って、なんで凉を好きになったの?」 「あー…。それ聞く?」 結構単純なんですよ。 ほんと、めちゃくちゃ単純な理由。 でも小学生のときなんてそんなもんでしょ? 「聞いちゃダメだった?」 私の顔を覗きこんでくる。 不覚にも、可愛いと思ってしまった。 「ダメじゃないけど…。それだけ?って感じだよ?」 「それでもいいよ。」 「…学校の帰り道でさ、友達と別れて一人で歩いてたとき――」