『短編』紙婚式




「当店自慢のサービスでございます」



ウエイターさんはそう言ってにっこり微笑み、部屋を出て行った。



「そういうこと。あの時の電話は、お店からの確認の電話だったんだ」



わたしは亮の胸の中で、声をあげて泣いてしまった。



わたしの顔は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。



気合を入れたお化粧も、台無し。



だけど、とても幸せだった。



「さあ。料理をいただこう」