「さて、どうしたものか」 小さな嵐が去った静かな空気に私の言葉が放たれた。 ひとまず縁側にあった物を片し、あの庭へ続く廊下に出る。 「気を失った人間を一人で運ぶには少々骨が折れますね…」 溜息を付いて庭から蔵に向かう。 重い扉を開けて取り出したのは使っていない大きな荷台だ。 ゴム製のタイヤが付いたそれは土の上でもよく転がる。 私は滅多にしない力仕事に勤しむことにした。