その後も毎日準備と練習に追われ、気づけば今日は文化祭1日目。

そして今日は高等部の先輩のほとんどがいつも以上に気合を入れています。

理由は単純。

今日から3日間、文化祭の間は関係者以外の立ち入りが許可されるから。

つまり、女の子が来るってこと。

高校生にもなると彼女が欲しくなるっていうもんね~。

あたしは教室の窓からそれを眺めながら苦笑していた。

「佳音、つかぬことをお聞きしますが・・・」

「?・・・あ、美良か。来るってよ~。あたしが言ってあげるから2人で回ったら?」

「なんで分かった!?まぁいい・・・。ありがとうございます!お願いいたします!」

「任せて~」

あたしは笑顔でその仕事を引き受けると、衣装に着替えるため更衣室に向かう。


その頃の教室ではクラスの男子が円陣を組んでいた。

「今日は女も来るけど、男もいっぱい来る。俺等が佳音ちゃんを護るぞ!他の女子に目移りするんじゃねぇぞ!」

「「「「おぉ!!」」」」

そんなことを言っていたようだけど、あたしは全くそんなこと知る由もなかった。


「それじゃみんな気合い入れろ!今日から3日間人気投票がある。それで1位になったクラスは旅行券がもらえるからな。体育祭同様、俺達が頂くぞ!」

そんな先生の掛け声とともに開店した喫茶店。

あたし達のクラスは執事(メイド)を選択できることもあってか、たくさんのお客さんが来てくれている。

あたしはひたすら笑顔で接客することに専念した。