佳き日に




よって今スーパーの商品だなの前をウロウロしているわけだが、本当に何を買えばいいのか分からない。

普段から質素な生活をしている閏は買い物もほとんど行かず、棚に並んだものを見ても何がなんだかわからない。
味覚がないので食料品も全然しらない。
三分程店内をグルグルと回り、それでも目星がつかなかった。

どうしたものかと店内をもう一周しようとする。

と、そのとき、閏の視界に見覚えのある物が見えた。
黄緑色の包装の、バナナチップス。

数年前琴がバリボリ食べていた気がする。

「なんか固てーしこれ。」

バリッと、音からして固そうだな、と閏はそう思っていた気がする。
これでいいか、と思い棚に並んでいたバナナチップスをすべて買う。

空からバナナチップス。
二ヶ月くらい早いが、ハロウィンだ、と閏は考える。

これで雪から頼まれたことの一つは終わった。

やるべきことは、あと二つ。


店から出ると閏はバナナチップスの入った袋に一万円を突っ込むと、それを店の裏の茂みに隠した。

それから周りに誰もいないことを確かめ、どこかに電話をかける。
7コール目で、相手が出た。

「あ、もしもし。この前話した者ですが。◯△スーパーの向かいのビルからこちらが用意したものを投げて欲しいんですが。あぁ、はい。一万円程度で。ありがとうございます。荷物の隠し場所と詳細はメールで送らせてもらいます。では。」

電話が終わるとすぐさまメール画面を開く。
あらかじめ作成して保存しておいたメールを相手に送る。

二つ目、終了。

閏は短く息をつき、最後の仕事に取りかかる。

今使っていた携帯とは別の、黒光りする携帯を胸元から取り出す。
警察からの依頼用だ。
使うときはいつも少し緊張してしまう。2、3度呼吸する。
数秒目を瞑ってから、閏は意を決して呼び出しボタンを押した。